リゾートしらかみで行く
五能線旅行記
 2000.7.24実施  

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 平成12年夏、JR東日本の企画切符「ゴーゴー3days切符」が発売になりました。この切符、3連休や夏休みの週末に金・土・日または土・日・月の3日間、JR東日本の全列車が指定席も含め乗り放題になる切符です。3日間で24000円と大変お得な切符です。同時に廃止されてしまったウイークエンドフリー切符(土・日の2日間乗り放題で16000円)に比べると設定日が限られている(毎週末発売されるわけではない)、3日間も使わない、値段が上がった、などきびしい評価もあるようですが、私は土・日の連休は無理な人間。ゴーゴー3days切符なら土、月と飛び石ながら2日間使えますので使う機会が出てきました。そんなわけで、今回私は7/22に新潟・山形県内の乗り潰し(越後線・米坂線・左沢線・奥羽本線米沢〜新庄、陸羽西線・羽越本線余目以南)を行い、次いで7/24、五能線をじっくり乗ることにしたのです。

 

 7/23、仕事が終わり家に帰りついたのは20時55分、急いで入浴・食事を済まし、21時25分に家を出る。送ってもらって済まない>父(^_^;; 三島発21時48分こだま486号に乗り東京着22時45分。そのまま八重洲南のバスターミナルへ。ここから23時10分発の盛岡行き夜行バス「らくちん号」が今日のお宿?となる。この時間帯も各方面への夜行バスが10分間隔で続々と出て行くところで、ターミナルはバスを待つ乗客でごった返していた。らくちん号は22時50分ドリームとよた・名古屋行き、23時00分発ドリーム大阪5号・大阪行きが発車した後の入線となる。らくちん号の後にもドリームなごや・岐阜行きやドリーム福井・福井行きなど23時50分発伊良湖ライナーまで夜行バスの発車は続く。らくちん号はバス4両の到着。3号車に乗り込む。発車後、一旦池袋のバス停に立ち寄りその後ノンストップとなる。池袋を過ぎて運転席のところのカーテンが閉められてしばらくした後眠り始める。もっとも途中何度か目が醒めてしまったが・・・。朝、気がつくと盛岡のインターを降りて一般道に入ったところだった。かくして6時25分、盛岡着。日差しがまぶしい。

 とりあえず補給。駅前のコンビニで食料を調達し駅ビルをぐるりとする。朝早いせいなのか開いていない店が多かったもののお土産やさん・弁当屋さん・キヨスク・軽食屋などが多数ある。それでもまだ時間があったのでホームの中に入る。駅構内の留置線に珍客が停まっている。マヤ34−2002+スヤ50−5001。前者は線路の状態(線路・路盤の歪みなど)をチェックする車、後者は車両限界をチェックする(要するに、車両に対して沿線の建物・橋などの工作物がぶつからないように間隔が保たれているかを確認する)車だ。鉄道の運行はこういう裏方さんの仕事もあって成り立っているのである。

写真:DE10+スヤ50-5001+マヤ34-2002
盛岡駅構内にて

この編成、後で弘前駅で再会する。

 キハ52-152+キハ58-1514(進行方向後ろ側から撮影) 盛岡駅にて
 キハ58の冷房装置は電源車キハ28がないので使用できないのではなくもとからついていない。花輪線も急勾配があるのであえて2エンジン車で固めているのであろう。将来キハ110系の投入はあるのだろうか?

 普通、盛岡から秋田県内に抜けるには高速バスを使うか特急「こまち」だと思うが、今回は花輪線というローカル線を乗ってみることにした。時間もあるし、なにより花輪線という路線自体にまだ乗ったことがない。いったいどういう路線なのだろうか? 7時04分発に乗る。キハ52‐152+キハ58-1514の2連で冷房はついていない。冷房のついていない車というのはなんかすごい久しぶり〜。私の地元の静岡県内では非冷房の車はほぼいない(大井川鉄道のSL客車とかそういうのぐらい)のだ。思いっきり窓を開けてみる。風がこごちいい。車内は4人掛けボックスシートに1〜2人と空いている。
 列車は最初は東北本線を北に進む。しばらくして進行方向左側に新幹線の車庫が見えてくるが、冬場の雪対策なのであろう、屋根のついた建物に覆われていて車両は見えない。またこのあたりから東北新幹線延伸工事が始まっている。高架だった新幹線は徐々に降りてきて東北線と同じ高さに並び左側を併走する。そしていつしか左にカーブして見えなくなって行った。盛岡から4駅目の好摩で東北本線から分かれ、西向きに進む。しばらくすると左手に美しい山が見えてくる。岩手山だ。富士山と同じように末広がりの台形で綺麗だ。ただ列車は途中で北向きになってしまうのだが・・・。沿線は畑だらけの土地に所々に集落が広がるのどかな風景。が、松尾八幡平駅を過ぎると突如山の中を掻き分けるようになる。山の中の急勾配で列車もさっきまでの軽やかな走りが鈍くなったような気がする。安比高原駅を過ぎてすぐのトンネルで峠を越し、今度は下り坂を軽やかに走る。荒屋新町駅で行き違いのため一休み。

写真:荒屋新町駅にて、キハ58-1515+キハ58‐1523。
 荒屋新町駅は沿線の拠点駅となっているようで、構内にはターンテーブルと扇形庫4線、他3線からなる保線基地がある。また駅前から二戸へ至るJRバスが運行されている。


列車はもう1つ峠を越しいよいよ秋田県に入る。谷間の狭いところを走ってきたが、少しずつ広くなり田畑の広がる耕作地帯となる。十和田南駅で行き違い&方向転換。列車の向きが変わる。乗客も徐々に増えてきた。終点大館着10時02分。3分乗り換え。橋を渡り隣のホームで待機していた秋田行き快速に乗る。
 クモハ701−101他の3両編成。ロングシートだが、この時間帯は空いていてゆったりと座ることが出来た。快速だけに速い。10時43分に東能代駅到着。

写真:リゾートしらかみ 東能代駅にて

元はキハ48の改造車であるが外観・内装ともに大元を感じさせないぐらいに改造されている。ただ中間車には運転台が残されていてその部分だけは元の車のスタイルである。

4両編成で、前後の車はリクライニングシートのついた一般座席車で、運転席の後ろには誰でも座れる展望ラウンジがある。中間2両は家族連れ向けの区切られた小部屋(4人掛けボックスシート)になっている。

なお、この列車は全席指定の普通列車なので乗車券のほかに指定席券が必要となります。

 


 ここからがリゾート列車リゾートしらかみに乗る。一番前の車両に乗り込む。この日は平日である事もあり車内は空いていて1号車だけでは10数人ぐらいだったか。定員40人なので半分以下。10時50分に東能代駅発車。発車して数分で能代駅へ至る。ここで車内放送がはいり「能代駅では5分間停車します。チャレンジバスケットを行いますので参加の方は是非ホームにお降り下さい。」んんん?なんだ? 降りてみよう。見るとホームにバスケットゴールが設置してあって、それに向かってシュート大会をやりだすではないか(笑) 面白そう〜(^_^) なんでも、ここ能代は高校バスケで全国的に強豪といわれる能代工業高校があるらしい。なるほどねぇ〜。

←能代駅のチャレンジバスケット(^_^)

 

能代駅を出るとだんだんと風景が寂しくなってくる。家々が途切れ水田に。そのうちにだんだんと山が迫ってくるようになり、線路も海岸ギリギリに近づいてきた。しばらく走りあきた白神駅。観光駅長がお出迎え・・・。すんごくかわいいお姉さんでした(^_^) 

 五能線は険しい海岸が続く・・・。トンネルもあちこちにある。下を走る道路は国道101号。五所川原までは横を寄り添って走り青森へ抜ける国道である。

このように美しい海岸線が延々と続く・・・。

 海を眺めながら進むと十二湖駅。ここで車内のほとんどの乗客が降りてしまう。十二湖駅からはバスが出ていてブナの原生林や不思議な湖沼群を観光する事が出来る。

 ここで説明しておこう。リゾートしらかみでは他の列車では絶対にない取り組みをいくつか行っている。その代表格が「蜃気楼ダイヤ」。列車は一旦深浦駅まで向かうが、深浦で一旦折り返して岩館駅(あきた白神駅の隣駅)まで戻り再び弘前に向かって進むのだ。つまり、さっきあきた白神駅や十二湖駅で途中下車した乗客は1時間40分程度の滞在時間で観光できる上に再びこの列車に乗ることが出来るのだ。このことは車内の案内パンフレットで紹介されている。また各観光スポット駅では地元との協力がされているようでこの列車に合わせたバスの運転がされていたり、またねぶた作成体験・案内人付き原生林探検ウォークなどの体験メニューもこのリゾートしらかみでないと体験できないものである。

 私は深浦駅へ向かう。12時17分に到着。駅を出て周辺を散策する。近くに歴史民族資料館・北前の館というのがあったので入ってみることにした。この深浦という町はかつては海上の貨物輸送をする北前船の寄港地で交易や漁業で栄えていた町らしい。私ってこういう歴史的な話って興味ひかれるのよん。しかしまぁ嵐の日は大変だったんだろうねぇ〜。ちなみに私はかつて小笠原まで船で行った事があるのですが帰りの船なんて海が荒れていてゲーゲー吐きまくってましたからとても北前船は無理でしょう(汗)

 資料館を出て、海沿いを歩く。多くの船が係留されている。船や船を引き上げるウインチの数の多さ・・・ほんと漁業の町なんだねぇ。しばらくすると公園が見え、遊覧船のターミナルも見える。さらにいくと海水浴場があり子供たちやカップルが泳いでいた。夏だもんねぇ〜。天気は少し雲がかかっていたのだけど日が差していて暑い。海水浴場に行く手前の高台からは港を一望する事も出来た。

 



写真:高台から海岸線を一望。手前下側に海水浴場がありウオータースライダーなども設置されている。


 こんな感じでぶらぶらしていたらリゾートしらかみの時間が迫ってきた。急いで戻る。戻ってきたリゾートしらかみはさっきまでよりもかなり人数が増えていた。あれれ? 1号車のうち2/3は埋まっている感じだったし、千畳敷駅で見た限りでは2・3号車のボックス席も半分は埋まっていた。深浦の次は千畳敷駅。ここでは10分間停車する。もちろん見物あるのみ。

ごつごつした岩が広く平らに広がっている。なんとも不思議な海岸線である。

 鯵ヶ沢駅をすぎると海岸線は離れて行く。沿線は田畑の広がる耕作地帯へ。風景は特段いう事はないが、その代わりに三味線の生演奏をされる方々が乗り込んできた。津軽三味線・・・・テレビでは少しだけ聴いたことがあるが生で聴くのはもちろん初めてだ。・・・テレビで聴くのとはなんだか違う・・・。弦の微妙な感覚というか音の張りが伝わってくる。三味線ってこんな味わい深いものなんだぁ〜〜。演奏は約20分間、五所川原駅手前まで続いた。
  写真:展望デッキでは三味線の演奏が行われる。
五所川原で三味線の奏者は下車して車内は静かになった。津軽鉄道の古い車両を横目に出発進行!! 車窓はりんご畑が広がっている。線路の両側・・・木木木・・・・。

写真は流れてしまっていますがみんなりんごの木です。実の部分には白い袋が被せられています。私、りんごが大好物なんで・・・(^_^) 今は旬ではないのですが秋になれば美味しい実がいっぱい取れる事でしょうね(^_^)
 列車は川部を経て終点、弘前へ至ります。15:52着。

 弘前駅にて。701系との並び。



ここからは16時12分発特急かもしか4号で秋田へ。秋田で5分接続でこまち24号に乗り換え、と帰路を急ぎます。田沢湖線内(雫石駅)から眠り始め、気がついたら小山まできていました。そのまま東京へ。東京からはこだまに乗り継ぎ22時過ぎに裾野駅まで帰りつきました。

 

 欲を言うともっと時間欲しかったなぁ。まぁ、時間的にこれ以上どうしようもないのですが、欲を言うとやはり2連休ぐらい取って行きたいですね〜。でも、行ってよかった〜m(^o^)m


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